空き巣が嫌がる家づくりのポイント|新築一軒家で取り入れるべき防犯対策を解説

2025/4/30

空き巣が嫌がる家の外観

昨今は空き巣や強盗などの侵入窃盗のニュースを目にすることが多く、住まいづくりにおける防犯対策は重要になっています。

特に一軒家はオートロックがあるマンションやアパートより空き巣に狙われやすい傾向があり、新築時の対策が必要です。

そこでこの記事では、空き巣が嫌がる家をつくるためのポイントを詳しく解説します。

空き巣に狙われやすい家の条件をチェックした後、どのような対策をすれば良いのか分かる構成になっていますので、ぜひ住まいづくりにお役立てください。

 


コラムのポイント

  • 住宅対象の侵入窃盗の中で、一軒家の割合は約30%と狙われやすくなっています。
  • 一軒家の侵入口で最も多いのは窓で、防犯ガラスやシャッターの設置などで対策する必要があります。
  • 不要な窓を減らしたり、足場になる場所を無くしたり、新築時にできる防犯対策を取り入れましょう。

 

一軒家の空き巣被害の傾向を把握しよう

具体的な対策をチェックする前に、まずは一軒家における空き巣の被害状況や、侵入手口などを把握しておきましょう。

実際にどのような状況で空き巣被害が発生しているのか知ることで、適切な対策を取ることができます。

一軒家はマンションより空き巣に狙われやすい

窓を割る一軒家の空き巣

まずは、空き巣を含めた侵入窃盗の発生場所のデータを参考に、一軒家が狙われるリスクをチェックしてみましょう。

 

場所 割合
一戸建て住宅 30.5%
共同住宅(3階建以下) 7.3%
共同住宅(4階建以下) 3.8%

出典:警察庁 住まいる防犯110番

 

2023年の侵入窃盗認知件数のデータを見ると、一戸建て住宅での発生率が30.5%と最も多くなっています。

アパートやマンションなどの共同住宅と比較すると、一軒家が空き巣に狙われやすい傾向がありますね。

2023年の住宅対象の侵入窃盗は1万7,469件で、1日あたり50件近く発生しているため、防犯対策の重要性が高いことが分かります。

一軒家の空き巣侵入口は窓が最多

一戸建て住宅の侵入口のグラフ

出典:政府広報オンライン

 

一軒家の侵入窃盗の侵入口を見ると、窓が55.2%で最多となっています。

玄関や勝手口などほかの出入り口より、窓の方が空き巣に狙われやすいことが分かります。

一般的な窓ガラスはハンマーやドライバーなど簡易的な道具で破られてしまい、空き巣にとって時間をかけず侵入できるため狙われやすいのです。

具体的な防犯対策は後半で解説しますが、空き巣に狙われにくい家をつくるためには、窓の対策が重要になります。

空き巣に狙われやすい家の特徴

一軒家の玄関ドアを開ける空き巣

防犯性が高い家をつくるためには、空き巣に狙われやすい家の特徴を知っておくことが大切です。

具体的な対策は次の章で解説しますので、ここではまずどんな家が狙われやすいのかチェックしておきましょう。

開口部の防犯性が低い

窓をはじめとした開口部の防犯性が低い家は、空き巣に狙われやすい傾向があります。

例えば、シンプルな一枚ガラスの窓は、ドライバー1本で簡単に破られてしまい、クレセントを回して侵入できるため狙われやすくなってしまいます。

また、玄関ドアの鍵が1つしかなく、耐ピッキング性が低いものも空き巣に狙われやすいです。

空き巣は侵入に5分以上かかるとあきらめることが多いと言われているため、開口部のセキュリティが低い家はターゲットになりやすいのです。

庭が荒れている

庭の落ち葉やゴミがそのままになっていたり、雑草が伸び放題になっていたりする家も、空き巣に狙われやすいと言われています。

庭が荒れている家は防犯意識が低いと見なされ、空き巣のターゲットになりやすいのです。

隠れられる死角が多い

空き巣はターゲットの家を下見する際、植木やブロック塀などの死角もチェックすると言われています。

死角が多いと隠れる場所を確保しやすく、侵入の際に発見されるリスクが少ないため狙われやすくなるのです。

留守の時間帯が一定で分かりやすい

仕事や学校で家を留守にする時間が一定で分かりやすい家も、空き巣のターゲットになることが多いと言われています。

空き巣は下見をして家に人が居ない時間帯をチェックするため、不在が分かりやすいと狙われやすくなってしまいます。

犬を飼っている形跡がない

侵入時に吠えられる可能性がある犬が居ない家も、空き巣に狙われやすい条件の1つです。

ただし、最近は愛犬を室内で飼う家が増えているため、あまり差がない可能性もあります。

周囲の人通りが少ない

家の周りの道路に人通りが少ない環境も、空き巣に狙われやすい傾向があります。

人通りが少ないと下見や侵入時に不審に思われるリスクが少なく、逃走できる確率も高くなるためと言われています。

空き巣が嫌がる一軒家を建てるための防犯対策

一軒家の防犯カメラで空き巣対策

前述した空き巣に狙われやすい家の条件を逆手に取り、新築時に取り入れるべき防犯対策をチェックしていきましょう。

不必要な窓を減らす

前述したように空き巣の侵入口となることが多い窓を減らすことで、住まいの防犯性を高めることができます。

窓は採光や通風のために必要なものですが、不要な窓は減らした方が空き巣に狙われるリスクを抑えることができます。

また、人が出入りしやすい掃き出し窓や腰窓を無くして、高窓や天窓などで採光や通風を確保するのも防犯対策の1つです。

侵入しやすい窓の防犯性を高める

リビングなどどうしても侵入しやすい位置・サイズの窓ができてしまう場合は、防犯ガラスや雨戸・シャッターなどを設置して防犯性を高めることも大切です。

防犯ガラスは2枚のガラスの間に特殊なフィルムを挟み、簡単に破れないようになっているため、空き巣に狙われるリスクの軽減効果が期待できます。

また、外出中にシャッターや雨戸を閉めておけば、侵入に時間がかかるため空き巣被害を未然に防げるケースも。

意匠性や機能性の観点でシャッターや雨戸を付けたくない窓は、面格子の設置なども検討してみましょう。

防犯性の高い玄関ドアを選ぶ

窓の次に侵入口となることが多い玄関ドアの防犯性を高めることも、空き巣に狙われない家づくりで取り組みたいポイントの1つです。

玄関ドアの鍵はピッキング対策されている物を選び、ツーロックにすることで侵入の難易度が高くなり、空き巣被害のリスクを軽減できます。

また、玄関ドアに明り取りのガラスを付ける場合は、前述した防犯ガラスにするのも効果的な対策です。

足場をつくらない

2階建ての場合、バルコニーなど空き巣の侵入経路となることが多い場所への足場をつくらないようにするのも対策の1つです。

例えば、1階の下屋から2階のバルコニーにたどり着けるような足場があると、空き巣に狙われるリスクが高くなります。

凹凸のない総2階建てにしたり、バルコニーを無くしてランドリールームで洗濯物を干せるようにしたり、侵入経路を無くすことが空き巣リスク軽減につながります。

死角を無くす

建物本体の対策だけでなく、外構に工夫して死角を無くすのも空き巣対策の1つです。

例えば、塀やフェンスなどで囲むクローズド外構ではなく、オープン外構にすることで空き巣が隠れられる死角がなくなり、狙われるリスクを軽減できます。

ただし、周囲の建物や表通りとの位置関係も踏まえて、プライバシー性とのバランスを取ることも大切です。

プライバシー性を確保しつつ死角を減らしたい場合は、窓の位置や高さなどに工夫して室内に視線が入らないように工夫しましょう。

どうしても死角ができてしまう場合は、踏むと音が鳴る防犯砂利を敷いたり、後述する防犯カメラを設置したりするのも効果的です。

防犯カメラを設置する

侵入しやすい窓や玄関の周りに防犯カメラを設置するのも、空き巣対策の代表的な方法です。

防犯カメラは映像を記録するだけでなく、空き巣に対して防犯意識が高い家だとアピールする抑止力も期待できます。

防犯カメラを設置する際は、目立たせて抑止効果を狙うのか、死角を気づかれないように撮影するのかなど、目的に合わせて場所を考えましょう。

IoT家電で留守を隠す

スマートフォンで操作できるIoT家電を導入して、留守の時間帯を隠すことで空き巣に狙われないようにする方法もあります。

IoT家電は外出先からスマートフォンで操作できるため、帰宅前に電気を付けたりシャッターを開け閉めしたりして留守を隠すことができます。

スマートフォンで鍵を開け閉めできるスマートロックを導入すれば、閉め忘れを防いで空き巣リスクを軽減するのにも効果的です。

普段からできる一軒家の防犯対策

一戸建て玄関ドアの戸締りで空き巣対策

前述したような新築時の防犯対策にくわえて、普段からできることを実践することも空き巣を防ぐために必要です。

必ず施錠する癖をつける

どんなに防犯性が高い家を建てても鍵を閉め忘れると意味がありませんので、短時間の外出でも必ず施錠する癖を付けましょう。

一軒家の空き巣被害の侵入手口は鍵の無締まりが最も多く、忘れずに施錠するだけでリスク軽減につながります。

参照:警察庁 住まいる110番

自治会への参加や近隣とのコミュニケーションを取る

空き巣は近隣住民とのコミュニケーションがない家を狙うと言われているため、普段から自治会に参加するなど交流を持っておくことも大切です。

回覧板が回っていたり、ゴミ置き場がしっかり掃除されていたりする地域は、近隣住民に目撃される恐れが高くなるため空き巣を抑止する効果が期待できます。

まとめ

一軒家は空き巣に狙われやすい傾向があるため、新築時にできる対策と、普段から取り組めることを実践することが大切です。

大切なマイホームや家族を守るために、防犯対策を上手に取り入れつつ、暮しやすい住まいづくりを目指しましょう。

私たちcaseIT(ケースイット)は、これまで多くの実績で培ってきたノウハウを活かし、防犯性や暮らしやすさ、デザイン性のバランスが取れた住まいをご提案する設計施工会社です。

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