事務所兼自宅のメリット・デメリットや間取りの考え方|戸建て施工事例も紹介
2025/3/15
フリーランスや個人事業主などの方は、オフィスを借りるのではなく、自宅兼事務所の戸建てを新築するケースも多いです。
事務所と自宅が一体だと通勤時間がないため効率的に働くことができ、家族との時間を確保したり、ワークスタイルに合わせた間取りをつくったりできるのがメリット。
ただし、仕事とプライベートの切り替え、住宅ローンや建てられる用途地域の条件など、注意すべきポイントもあります。
そこでこの記事では、戸建ての事務所兼自宅を新築する場合に必要となる基礎知識を分かりやすくまとめました。
事務所兼自宅のメリット・デメリット両面を掘り下げ、間取りの考え方について詳しく解説します。
実際の事務所兼自宅の施工事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
コラムのポイント
- エンジニアやデザイナー、作家やライターなど、自宅で作業できる業種は自宅兼事務所が向いています。
- 戸建ての事務所兼自宅は、通勤時間が無くなり、効率的に働ける理想的な環境をつくれるのがメリットです。
- 仕事とプライベートの切り替え、来客対応など、事務所兼自宅には注意すべきデメリットもあります。
- 働き方や家族のライフスタイルによって、自宅と事務所の距離感や動線、理想のレイアウトは変わります。
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事務所兼自宅のメリットとは?
まずは、オフィスを別途借りる場合と比較した、事務所兼自宅のメリットについてチェックしていきましょう。
通勤時間がなく仕事とプライベートを両立しやすい
自宅と事務所を一体にすることで通勤時間がなくなり、仕事とプライベートを両立しやすくなるのは大きなメリットです。
総務省統計局の調査によると、2021年の通勤・通学時間の全国平均は1日あたり1.19時間でした。
週5日通勤する場合と比較すると、事務所兼自宅なら1週間で約6時間も節約できる計算になり、趣味や家事・育児と仕事の両立をしやすくなります。
参照元:統計局 令和3年社会生活基本調査
働きやすい環境をつくれる
戸建ての事務所兼自宅を新築する場合、間取りやデザインをご自身の業態やワークスタイルに合わせて、働きやすい環境をつくれるのも大きなメリットです。
賃貸オフィスは間取りやデザインを大きく変えるのは難しいですし、分譲マンションを事務所兼自宅にする場合も、延床面積やレイアウトは限られてきます。
しかし、一戸建てなら、広めの敷地で事務所スペースを広く取ったり、居住スペースと近づけたり、ワークスタイルに合わせて調整が可能です。
オフィスを借りるよりコストを抑えられる
自宅の一部を事務所スペースにすることで、賃貸オフィスを別途借りるよりコストを抑えられるのも魅力的なポイントです。
自宅と別でオフィスを借りる場合、住宅ローンと賃料の支払いが二重になりますが、事務所兼自宅なら一本化できます。
事務所兼自宅は条件を満たせば金利が低い住宅ローンを組めるため、毎月の支払い負担を抑えることができます。
光熱費などを経費計上できる
事務所兼自宅で働く場合、事業にかかる光熱費や住宅ローンの支払い利息などを経費計上でき、節税効果が期待できるのもメリットです。
例えば、事務所でパソコンや冷暖房などを使う場合は、「家事按分」によって電気代の一部を経費計上できます。
ガス・水道・インターネット回線などの使用料金も、事業に使用した割合に応じて経費計上できる場合があります。
事務所兼自宅のデメリットや注意点は?
前述したメリットだけでなく、事務所兼自宅にはデメリットや注意すべきポイントもあります。
具体的な対策や考え方のポイントは次の章で解説しますので、ここではまずどんなデメリットがあるのか把握しておきましょう。
仕事とプライベートの切り替えが難しい
通勤時間が無くなる反面、仕事とプライベートの切り替えが難しい傾向があるのは事務所兼自宅の注意すべきデメリットです。
シームレスに仕事とプライベートを切り替えられるのは大きなメリットですが、人によっては気が休まらないと感じるケースもあります。
来客が多い場合は注意が必要
打ち合わせや商談などで事務所にお客様を招くことが多い方も、事務所兼自宅を建てる際は注意が必要です。
例えば、打ち合わせ中に家族の生活音が聞こえたり、事務所までの間に居住スペースを通る必要があると、お客様が気兼ねしたりする可能性があります。
また、自宅スペースで猫や犬を飼っていると、アレルギーをお持ちの方を事務所に招けないケースも。
用途地域によっては建てられないこともある
事務所の規模や建て方によっては建てられない用途地域があり、一般住宅よりエリアを制限される可能性があるのもデメリットの1つです。
規制が厳しい住居専用地域などでは、事務所の面積や業種に制限がかけられていて、理想の広さや間取りを実現できないケースもあります。
住宅ローンを適用できないことがある
事務所兼住宅の新築では、金利が低く借入期間が長い住宅ローンを適用できないケースがあるのも注意すべきデメリットです。
借入する金融機関によっては、事務所と自宅の延床面積の割合が決められていたり、住居部分にしか住宅ローンを適用できなかったりするケースもあります。
住宅ローンが適用できない場合、自己資金を用意するか、金利が高い事業用ローンなどを組む必要があります。
売却の難易度が高い
将来働き方やライフスタイルが変化した際、売却の難易度が高いのも事務所兼自宅のデメリットです。
事務所兼自宅を購入する可能性がある人は、フリーランスや個人事業主などの業種に限られるため、一般住宅より売却は難しくなります。
戸建ての事務所兼自宅で考えるべきこと
戸建ての事務所兼自宅を新築する場合、具体的な計画を立てる前にまずは目的や必要性を確認することが大切です。
前述したように事務所兼自宅にはメリット・デメリット両面があり、働き方やライフスタイルにマッチするかは人それぞれです。
明確な目的や必要性がない場合は、事務所はほかの場所で借りて自宅は一般的な住宅として建てた方が良い可能性もあります。
通勤時間を無くしたい、仕事とプライベートを両立したい、オフィスの賃料を削減したいなど、なぜ事務所兼自宅を建てるのか目的を明確にしましょう。
事務所兼自宅を建てる目的を明確にしておくことで、事務所の広さやレイアウト、居住スペースとの距離感なども考えやすくなります。
あらかじめ事務所兼自宅の目的や叶えたいことを明確にして、次の章で具体的に考えるべきポイントを1つずつチェックしていきましょう。
戸建ての事務所兼自宅づくりのポイント
前述したデメリットに対策し、仕事と暮らしを両立するための事務所兼自宅を建てるために、次のポイントについて1つずつ考えていきましょう。
生活と仕事の距離感
戸建ての事務所兼自宅づくりでは、業種やワークスタイル、家族のライフスタイルに合わせて、生活と仕事の距離感を調節することが大切です。
生活と仕事の適切な距離感は人によって異なり、暮しやすい間取りも変わってきます。
例えば、仕事とプライベートの切り替えが必要なタイプの方は、事務所と自宅の距離を離したほうが良いケースが多いです。
一度屋外に出て事務所に入る動線にすると、オンオフを切り替えやすくなります。
逆に、仕事をしながら家事や育児をスムーズにこなしたい方は、屋内で短い動線で自宅と事務所をつなげた方が暮らしやすいでしょう。
朝起きてから仕事をこなし、夜眠るまでの行動をリアルにシミュレーションして、ご自身に合う距離感や動線を考えてみてください。
仕事に集中できる環境
前述した距離感にくわえて、仕事に集中できる事務所環境を考えることも大切です。
例えば、リビングや居室と事務所が隣接していると、テレビの音や話し声などの生活音で集中できないケースもあります。
また、事務所の窓から自宅が見える場合、家族の行き来が目に入って切り替えが難しい可能性も。
ただし、仕事に集中できる理想的な環境も人によって異なりますので、ご自身に合わせて考える必要があります。
適度に生活音や人の存在感があった方が良いケースもあれば、外部と切り離した静かな環境の方が集中できる可能性も考えられます。
業種や仕事をする時間帯、家族の生活スタイルなども踏まえて、働きやすい事務所環境について考えてみましょう。
打ち合わせや来客時の対応
取引先やお客様を招いて打ち合わせする機会がある場合は、外部からの動線や来客スペースの必要性も考えましょう。
例えば、玄関からリビングを通らないと事務所に入れない間取りだと、お客さまや家族が気兼ねしてしまう可能性があります。
来客が多い場合、外から直接事務所に入れる動線や、生活スペースが見えないようにする配慮などが求められます。
打ち合わせ用のデスクやチェアを置くスペースを踏まえた事務所の広さ、レイアウトなどもしっかり検討しましょう。
リフレッシュできる空間の有無
事務所兼自宅で日常的に仕事をする場合、リフレッシュの時間を設けることも大切です。
通勤時間が無くなるのは事務所兼自宅の大きなメリットではありますが、リモートワークだと家から出る機会が少なくなるため、リフレッシュや切り替えの機会は大切になります。
例えば、事務所に隣接した中庭やコートをつくり、空が見える窓を設けて開放感を高めたり、外に出たりしてリフレッシュする工夫も1つのアイデアです。
家の中にリフレッシュスペースをつくるのが難しい場合は、仕事の空き時間に散歩や買い物などに出る考え方もあります。
独立などでオフィスワークから自宅勤務に切り替わる場合、特に働き方が大きく変化するため、リフレッシュの必要性やスペースの確保を考えてみましょう。
防犯性やセキュリティ
戸建ての事務所兼自宅を建てる場合、住まい全体の防犯性や事務所のセキュリティについて考えることも大切です。
どのような住まいでも防犯性を高めることは重要ですが、フリーランスや個人事業主として事務所兼自宅で仕事をする場合、取り扱う情報の漏洩にはさらに注意が必要になります。
窓やバルコニーなど侵入経路になることが多い場所に対策したり、外部からの死角を無くしたり、センサーライトやカメラを設置したり、万が一情報が漏洩しないように工夫しましょう。
また、秘匿性の高い情報が家族や来訪客の目に触れたり、書類が紛失したりすることが無いよう、事務所内のセキュリティを考える必要もあります。
前述した事務所と自宅の距離感を調整する、重要な書類を収納に整理整頓できるようにするなど、情報漏洩を防ぐ工夫をしましょう。
土地探しから相談する
一般的な注文住宅でも土地探しは大切ですが、事務所兼自宅の場合はさらに重要度が高くなります。
前述したように、用途地域によっては事務所兼自宅が建てられなかったり、広さや間取りに制限が出たりすることもあります。
また、日当たりや眺望など土地の条件も、居住スペースの快適性や事務所の環境に影響する重要なポイントです。
土地・建物それぞれを切り離して考えるのではなく、理想の事務所兼自宅から逆算して、土地探しと間取りづくりを同時進行するのが基本となります。
ケースイットはお客様のご要望をお伺いし、土地探しから間取りづくりまでトータルサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
事務所兼自宅の戸建て注文住宅施工事例
ケースイットが手がけた注文住宅事例の中から、一戸建ての事務所兼自宅をピックアップしてご紹介します。
こちらは高低差のある土地の条件を活かし、「抜け感」を大切にした事務所兼自宅の間取り事例です。
1階の事務所スペースは、自宅とは別の出入り口を設けることで、オンオフの切り替えや来客対応をしやすいレイアウトになっています。
打ち合わせスペースは土地の高低差を活かして視線が抜けるように設計し、開放感たっぷりの空間に。
デスクとの間に壁を設け、お客様との打ち合わせに集中できるように工夫もしています。
生活の中心となるリビングは2階に配置し、事務所と程よい距離感で生活できるようになっています。
高低差を活かした眺望の良い窓も設けて、居住スペースも開放感のある気持ちの良い空間に仕上がりました。
事務所兼自宅でよくある質問
最後に、事務所兼自宅を検討するとき疑問に感じることが多いポイントについてまとめます。
賃貸と新築はどちらがいい?
事務所兼自宅として利用できる賃貸物件も存在しますが、数が少なく間取りを変えられないため、仕事の効率や暮らしやすさにこだわるなら新築がおすすめです。
賃貸の事務所兼自宅なら初期費用を抑えられますが、住みたいエリアにちょうど良い間取りの物件が見つかるかは運しだいです。
また、一般的な賃貸物件は基本的に間取りを変えられないため、新築の方が業務内容やライフスタイルに合わせて暮らしやすいでしょう。
中古で検討するのもあり?
新築より費用を抑えられる中古の戸建て住宅を購入して、事務所兼自宅にするのも1つの考え方です。
ただし、中古物件の場合は、働き方やライフスタイルに合わせるためのリノベーションが必要になる点に注意しましょう。
前述したように、仕事と暮らしを両立しやすい事務所兼自宅の間取りは、人によって変わります。
中古物件で初期費用を抑えられても、リノベーションで思ったよりお金がかかるケースも考えられます。
新築と中古どちらが良いかは、実際に暮らし始めるまでにかかるトータル費用で比較検討しましょう。
まとめ
事務所兼自宅にはメリット・デメリット両面があり、どのような間取りがマッチするかは働き方やご家族のライフスタイルによって変わります。
理想とする働き方や暮らしについてしっかり考え、仕事とプライベートを上手く両立できる事務所兼自宅をつくりましょう。
一般的な注文住宅とは異なる部分への配慮や工夫も求められますので、事務所兼自宅の施工実績があり、経験に基づく適切なアドバイスができるプロに相談することも大切です。
私たちcaseIT(ケースイット)は、お客様のご要望をお伺いし、理想的な住まいづくりをご提案する設計施工会社です。
事務所兼自宅も数多く手がけた実績がございますので、ぜひお気軽にご相談ください。