窓が少ない家のメリット・デメリット|後悔しない考え方や施工事例を紹介

2025/1/15

窓が少ない家のファサード

最近はデザイン性・断熱性・防犯性などさまざまな観点から、表通りや周囲から見たときに窓が少ない家を建てるケースが増えています。

しかし、住まいの窓を減らすことにはメリットだけでなくデメリットもあり、実際に後悔したという意見も。

そこでこの記事では、窓が少ない家のメリット・デメリット両面を掘り下げ、後悔を防ぐための基本的な考え方や対策を詳しく解説します。

実際に周囲から見たときに窓が少ない家の施工事例も紹介しますので、ぜひ理想の住まいづくりにお役立てください。


コラムのポイント

  • 窓が少ない家はプライバシー性が高く、断熱性や気密性、防犯性の観点でも有利になるのがメリットです。
  • 採光や通風、圧迫感など、窓が少ない家づくりで注意すべきポイントと対策を覚えておきましょう。

 

住宅づくりにおける窓の考え方

窓が少ない家の中から見た景色

窓が少ない家のメリット・デメリットを具体的に掘り下げる前に、基本的な考え方を把握しておくことも大切です。

住まいの窓には、通風や採光といった機能性、室内の見え方や外観デザインの一部になるなど、複数の役割があります。

デザインありきで窓が少ない家を建ててしまうと、実際に暮らし始めてから暗さや息苦しさを覚えて後悔するリスクもあるのです。

また、プライバシー性を重視して窓を少なくしても、隣の家や表通りから見える位置だと結局視線が気になり、一日中カーテンを開けることができません。

窓を減らすことは断熱性や気密性を高める点で有利ですが、外壁や屋根の断熱材などほかの要素も影響します。

窓のサイズや数、配置は、住まい全体のバランスや周辺環境など、さまざまな要素を踏まえて決める必要があるのです。

次の章から窓が少ない家のメリット・デメリットを1つずつ紹介しますが、あくまで傾向として住まいづくりに役立ててください。

窓が少ない家のメリット

窓が少ない家の外観

具体的に、住まいの窓を減らすことによるメリットや得られる効果についてチェックしていきましょう。

プライバシー性が高く視線が気になりにくい

大きな窓を減らすことで外からの視線が入りにくく、住まい全体のプライバシー性を高めやすいのはメリットの1つです。

例えば、外の環境を考えずリビングに大きな窓をたくさんつけてしまうと、視線が気になりかえってくつろぎにくい空間になってしまうケースもあります。

表通りや隣の家から視線が入りやすい場所の窓を減らすことで、プライバシー性が高い家づくりをしやすくなります。

断熱性や気密性を高めやすい

窓を減らすことで、住まいの断熱性や気密性を高めて快適な環境をつくりやすいのもメリットです。

窓ガラスは熱伝導率が高いため外気の影響を受けやすく、冬の寒さや夏の暑さの大半は窓から入ってくると言われています。

窓の数を減らしたりサイズを小さくしたりすることで、外気の影響を受けにくく快適な空間をつくりやすくなるのです。

参照:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会 開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?

防犯性を高めやすい

空き巣や強盗などの侵入経路になることが多い窓を減らすことで、住まい全体の防犯性を高められるのもメリットと言えます。

警察庁によると、戸建て住宅における侵入窃盗の侵入口は窓が55.2%で最も多くなっています。

侵入の手口はガラス破りが35.8%あり、対策されていない一般的な窓の場合数秒で侵入されてしまう可能性が高いです。

窓の数を減らしたりサイズを小さくしたりすることで、侵入経路を減らし防犯性を高めることにつながります。

参照:警察庁 住まいる防犯110番

耐力壁を配置して耐震性を高めやすい

大きな窓を減らすと壁の面積が広くなるため、建物を支える耐力壁を配置しやすくなり、耐震性が高い家づくりをしやすくなるのもメリットです。

耐力壁は建物全体にバランス良く配置することが大切ですが、窓がある部分にはつくることができません。

窓を減らすことで耐力壁の配置の自由度が上り、バランス良く建物を支えて地震に強い家をつくりやすくなります。

壁の面積が増えて家具を配置しやすい

窓が少ない家は壁の面積が増えるため、家具配置の自由度が高くなるのも意外なメリットの1つです。

窓が多いと壁に沿って家具を配置できないため、レイアウトや模様替えの自由度は低くなります。

壁の面積が増えることで家具を自由に配置しやすくなり、大型の壁面収納などもつくりやすくなります。

建築費用を抑えやすい

ガラスやサッシなどの材料費、工事費を減らして建築費用を抑えられるのも、窓が少ない家のメリットです。

大きな窓を付けると断熱性を確保するために性能が高いガラスやサッシを使う必要があり、建築費用が高くなる原因になります。

不要な窓を省くことで、コストパフォーマンスが高い住まいづくりにつながります。

清掃やメンテナンスの手間を減らせる

不要な窓を減らすことで、普段の清掃の手間やメンテナンス費用などを削減できるのも大きなメリットです。

サッシや窓枠にはホコリが溜まり、外壁側も窓枠に沿って雨だれ汚れが付くことが多いです。

また、パッキンや戸車の劣化、開閉部の故障などがあると、修理の手間と費用がかかります。

窓を減らすことで掃除の手間や時間を削減でき、将来のメンテナンス費用も抑えることができます。

窓が少ない家のデメリットと後悔しない考え方

正面に窓が少ない家

メリットがたくさんある一方、窓が少ない家には次のようなデメリット・注意点もあります。

窓を減らすことのデメリットへの対策や、後悔を防ぐポイントも含めてチェックしていきましょう。

採光・通風の工夫が求められる

窓を減らすと日当たりや風通しが悪くなることもあるため、採光や通風の工夫が必要になるのは注意点です。

建築基準法では「有効採光面積」によって窓の量を規定していますが、あくまで最低限の基準なので、明るさや風通しが不足するケースもあります。

ただ窓が少ない家を建てるのではなく、デザイン性やプライバシーとのバランスを考えながら、採光や通風も確保することが大切です。

例えば、住まいの正面は窓を減らして高窓や天窓をつくり、プライバシーと採光性を両立するのも1つの考え方です。

 

窓が少ない家の中庭

また、中庭やコートは、周囲からの視線を遮りつつ、自然光や風を取り入れるのに効果的な間取りです。

コートを活用して採光や通風を確保した施工事例を次の章で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

圧迫感や閉塞感を覚えることもある

部屋の広さや間取りによっては、窓を減らすことで圧迫感や閉塞感を覚えることがあるのも注意すべきポイントです。

例えば、リビングのソファに座ったとき、窓が見えないと圧迫感が出ることもあります。

圧迫感のない空間をつくるためには、窓を減らしつつ配置に工夫することが大切です。

小さな窓でも、隣の家から見えない位置ならカーテンを開けられるため、部屋の開放感がアップします。

同じ面積の窓でも、配置によって見え方は変わるため、圧迫感や閉塞感を解消する方法もあります。

窓が少ない家の施工事例

最後に、ケースイットがお手伝いした施工事例の中から、周囲から見える窓が少ない家をご紹介します。

事例①

窓が少ない家の外観

外から見える窓を減らして視線を遮りつつ、コート(中庭的スペース)によって採光や開放感を確保したお住まいです。

表からは玄関やリビングの窓が見えず、プライバシー性を高めています。

 

窓が少ない家の中庭

リビングの正面にあるコートは、外部からの視線を遮りつつ、室内に柔らかな自然光を取り入れられるように工夫しました。

また、コートを通じて視線が上空に抜けることで、閉塞感のない明るい空間になっています。

▼施工事例を見る⇒枡形の家

 

事例②

窓が少ない家の外観

こちらは1階がクリニック、2階が住居の施工事例です。

2階の住居は表から見える位置に窓をつくらず、プライバシーを確保しています。

 

窓が少ない家のリビング

この建物には複数のコートがあり、表からの視線はしっかり遮りつつ、たっぷり自然光が入り明るく開放的な空間に仕上げました。

 

窓が少ない家の中庭

住まいの中心にあるコートも外からの視線が入らず、天気が良い日はデッキに出て過ごすことも可能です。

▼施工事例を見る⇒光と風のコートハウス

 

まとめ

窓が少ない家にはメリット・デメリットがあり、住まい全体のバランスを考えることが大切です。

デザイン性やプライバシー性だけを見て窓を減らすと後悔する可能性もあるため、採光性や開放感なども踏まえて提案できる設計者に相談しましょう。

私たちcaseIT(ケースイット)は、お客様のご要望やご予算などをお伺いし、ライフスタイルにあわせたご提案を得意とする設計事務所・施工会社です。

プランづくりから完成までワンストップで、満足度の高い住まいづくりをサポートいたしますので、どんなこともお気軽にご相談ください。

Contact

お問い合わせ

家づくりに関するご相談は何でもお気軽にお問い合わせください。