中庭のある家の間取り実例|メリット・デメリットや間取りづくりのポイントも解説

2024/11/15

中庭のある家の間取り実例

おしゃれな注文住宅で見かけることが多い中庭の間取りですが、実際に建てるとなると設計や費用などのハードルが気になる方が多いのではないでしょうか。

中庭にはさまざまなメリットがありますが、注意すべきデメリットもあり、暮らしやすい間取りをつくるためには対策が必要です。

そこでこの記事では、中庭のある家の間取り実例や、メリット・デメリット、間取りづくりのポイントについて詳しく解説します。

 

中庭とはどんな間取り?

二階建ての中庭の間取り

中庭とは、建物や壁に囲まれた屋外空間のことです。中庭のある家のことを「コートハウス」と呼ぶこともあります。

中庭を囲む建物の形によって、コの字型、ロの字型、L字型などの種類があるほか、高い壁をつくって部分的なコートをつくる方法もあります。

中庭は一般的な外部スペースよりプライバシー性やデザイン性が高く、おしゃれで快適な空間をつくりやすいのが魅力的なポイントです。

次の章で、実際に中庭やコートを取り入れた間取り実例をチェックしてみましょう。

中庭のある家の間取り実例

さっそく、おしゃれな中庭やコートの間取りを取り入れた実例を2軒ご紹介します。

それぞれの詳細ページにほかの写真も掲載していますので、そちらもぜひごらんください。

実例①

中庭のある家の間取り実例

中庭のある家の間取り図

1階は診療所、2階がご自宅のお住まいで、1~8の上下階をつなぐ開放的な中庭やコートを複数取り入れた間取りになっています。

 

空が見える中庭スペース

上記の図面で6の中庭は住まいの中心となるスペースで、周囲の視線が入らないため、天気が良い日にデッキに出て過ごすことも可能です。

 

中庭のある家の廊下

外側に沿って配置した8のコートも、廊下の壁面を収納として活用するなど、ムダを無くし効率よく暮らせるアイデアも。

▼光と風のコートハウスの詳細を見る

 

実例②

コートがある2階リビング

2階リビングに部分的なコートを組み合わせ、開放的な空間に仕上げた間取り実例です。

写真左側を壁で囲んだコートにすることで、周囲の建物からの視線を遮り、気兼ねなくカーテンを開けられるようになっています。

▼西八朔の家の詳細を見る

 

中庭のある家のメリット

ロの字の中庭間取り

住まいに中庭やコートを取り入れることで、次のようにさまざまなメリットが生まれます。

柔らかく気持ち良い採光を得られる

中庭に隣接する部屋に自然光を取り入れ、居心地の良い空間をつくりやすいのは大きなメリットです。

建物や壁に囲まれた中庭は、周囲の視線を気にせずカーテンを開けることができ、日中の自然光を採りこみやすいのが特徴です。

また、中庭の白い壁に太陽光を反射させるなど、直射日光より柔らかい自然光をお部屋に採り入れる方法もあります。

窓を開けて換気しやすい

プライバシー性が高い中庭は、窓を開けて隣接する部屋を換気しやすいのも魅力的なポイントです。

表通りに面した窓は、プライバシー性や防犯性の観点から気軽に開けるのは難しいケースが多いです。

しかし、表から直接見えない中庭やコートは、気軽にカーテンや窓を開けることができ、室内を効率よく換気できます。

小さな中庭やコートは直接風が通りにくいこともありますが、暖かい空気が上昇する性質があり、換気に効果的です。

視界をコントロールして開放感を高めやすい

室内から外の見え方をコントロールして、お部屋の開放感を高められるのも中庭のメリットです。

市街地など周囲の建物や表通りが近い環境では、1階に大きな窓を付けても、視線が気になりカーテンを開けるのは難しいことがほとんどです。

中庭やコートで外からの視線を遮れば、カーテンを開けて周囲の風景を採りこみ、開放感を高めることができます。

例えば、周囲の建物や表通りから見えない場所に中庭やコートを配置すれば、室内から空が見えるぜいたくな空間をつくることも可能です。

防犯性を高めやすい

中庭やコートの窓は外から直接見えない位置にあるため、防犯性を高められるのもメリットの1つです。

表通りに面した窓からは家の中の様子が見えるため、空き巣などに狙われるリスクが考えられます。

また、空き巣の侵入経路は窓が最も多いため、アクセスしやすい場所に窓が増えるほどリスクも高くなります。

中庭の窓は建物や壁に隠れるため生活リズムを把握されるリスクが少なく、表からアクセスしにくい場所にあるため侵入も防ぎやすいです。

屋外スペースを有効活用できる

プライバシー性が高い中庭は、一般的なお庭より過ごし方のバリエーションが広がり、敷地を有効活用できるのもメリットの1つです。

外からの視線が入らない中庭やコートは、屋内の延長のように過ごすことができます。

屋根を付けなければ建築面積に含まれないため、屋内スペースを拡張してのびのびと過ごせる家をつくることができるのです。

周囲の建物や表通りが近い都市部では、庭を有効活用するのは難しいケースが多いです。

しかし、中庭やコートなら、敷地を最大限活用して居住空間の一部として有効活用することができます。

中庭のある家のデメリット

中庭の間取りでくつろぐ女性

中庭には注意すべきデメリットもあるため、対策とセットでチェックしておきましょう。

建築費用が多めにかかる

中庭の形状や間取りによっては、建築費用が多めにかかることもあるので注意が必要です。

中庭やコートをつくることで窓や壁の材料費と工事費が増え、建築費用が増加するケースがあるのです。

ただし、建物の建築費用が増えても、外構費用を減らせることもあるため、トータル予算で考えてみましょう。

例えば、コートの壁を建物の一部としてつくれば、外構費用を減らして金利の低い住宅ローンに含めることができます。

また、中庭の形状やつくり方でコストをコントロールできるケースもあります。

動線設計が難しい

コの字型やロの字型の中庭は、動線効率が悪くなるケースもあるので注意が必要です。

中庭を回り込むような動線になると、遠回りになり生活効率が低下してしまう可能性があります。

このようなリスク・デメリットについては、中庭やコートのある家の施工実績が豊富な設計者に相談するのが基本的な対策です。

中庭やコートをつくり慣れている設計者なら、ライフスタイルに合わせて動線効率の良い間取りを提案することができます。

断熱性が低下しやすい

中庭に面して大きな窓をたくさんつけると、断熱性が低下し光熱費が余計にかかってしまうリスクもあります。

窓ガラスは外壁より薄いため外気の影響を受けやすく、冷暖房効率が低下する原因になることがあるのです。

また、直射日光が室内に差し込み、温度上昇の原因になるケースもあります。

中庭に限ったことではありませんが、このようなリスクへの対策は住まい全体の断熱性のバランスを考えることが大切です。

ただし、断熱性能を過剰に高めると建築コストが増加するリスクもあるため、予算と性能のバランスを取る必要があります。

詳しくはこちらもごらんください。

▼断熱性能についての考え方

ロの字型はメンテナンスが負担になることも

建物に完全に囲まれたロの字型の中庭は、植木の落ち葉掃除や剪定などのメンテナンスが負担になることもあります。

中庭のメンテナンス自体は一般的な屋外スペースと変わりませんが、落ち葉やゴミを運び出す際に室内を通るのが不便に感じることも。

中庭にシンボルツリーやお花などを植える際は、落ち葉の量や成長速度などを踏まえ、お手入れしやすいものを選ぶのがおすすめです。

中庭の間取りづくりのポイントと注意点

中庭のある家の建築模型

実際に中庭のある家の間取りを考える際は、次のポイントを押さえて失敗や後悔を防ぎ、理想的な空間をつくりましょう。

予算を明確にする

中庭のある家に限らず住まいづくり全般に言えることですが、まずはトータル予算を明確にすることが大切です。

希望予算や上限が分からないと、中庭のある家を実現できるのかどうか判断はできません。

また、建物でしっかり囲んだ中庭、壁でつくる部分的なコートなど、予算によって間取りのつくり方も変わってきます。

頭金や住宅ローンの返済額などから逆算し、いくらぐらいの家を建てたいのか大まかに考えてみましょう。

外からの視線をコントロールする

中庭やコートの魅力やメリットを活かすためには、外からの視線をコントロールすることも大切です。

隣の家や窓、表通りとの位置関係を把握し、室内に視線が届かない間取りをつくるのが理想的です。

プライバシー性が高い中庭やコートをつくることで、カーテンを開けて外の風景を楽しんだり、風を取り入れたりすることができます。

動線と空間のムダを無くす

予算内で理想の中庭の間取りを実現するためには、動線や空間のムダを無くすことも大切なポイントです。

前述したように中庭を回り込むような動線は生活の負担になるため、一日の行動をシミュレーションしてムダを無くしましょう。

また、中庭に面した通路の壁面を収納として活用するなど、空間を有効活用してムダを無くすことも大切です。

間取りや動線のムダを無くすことで床面積を抑えることができ、建築費用を削減して予算内で理想の住まいを実現することにもつながります。

活用方法を考える

中庭やコートをどのように活用するのか考えるのも、理想の間取りづくりのポイントです。

 

※中庭の活用例

  • お子さまやペットの遊び場
  • 食後のリラックスタイム
  • 友人とのティータイム
  • 浴槽から見えるバスコート
  • ハンモックを吊るして読書やお昼寝

 

上記のように中庭の活用方法はさまざまで、用途によって適切な間取りや広さなどが変わります。

活用方法を明確にすることで、よりライフスタイルにマッチする中庭やコートの間取りを考えやすくなるため、理想の過ごし方をイメージしてみましょう。

土地選びとプランづくりを連携する

これから土地を取得する方は、土地の広さや周辺環境と間取りづくりを連携し、同時進行することも大切です。

周囲の建物が近いなど、条件が悪い場所でもつくれるのが中庭やコートのメリットです。

しかし、理想の中庭やコートに適した条件の土地を選べば、選択肢が広がり、建築費用も抑えられる可能性が高くなります。

土地を決めてから中庭のある家の間取りを考えるのではなく、両方を同時進行するのがおすすめです。

まとめ

中庭の間取りにはさまざまなメリットがありますが、注意すべきポイントもあります。

暮らしやすくおしゃれな中庭のある家を建てるためには、さまざまな要素について考え、全体のバランスを取ることが大切です。

ご自身ですべての要素をチェックするのは難しいため、中庭やコートの施工実績が豊富な会社に相談し、適切なアドバイスやサポートを受けましょう。

私たちcaseIT(ケースイット)は、お客様のイメージやご要望をお伺いし、設計から施工までワンストップでお手伝いできる設計事務所であり施工会社です。

これまで培ってきた技術やアイデアを駆使し、中庭やコートを含めた理想の間取りプランをご提案いたします。

住まいのことならなんでもお気軽にご相談ください。

 

Contact

お問い合わせ

家づくりに関するご相談は何でもお気軽にお問い合わせください。