造作家具とは?メリット・デメリットやオーダーメイド成功のポイントを解説
2025/6/15
テーブルやソファ、収納などの家具は住まいに欠かせない要素の1つで、暮らしやすさやデザイン性を大きく左右します。
家具はインテリアショップなどで既製品を購入するケースが多いですが、ライフスタイルや空間に合わせててつくる造作家具も選択肢の1つです。
造作家具は使い方に合わせてオーダーメイドでき、素材や仕上げ方法までこだわって世界に1つだけのデザインをつくれるのが魅力。
しかし、いざ造作家具を検討するとなると、費用や失敗のリスクなどが気になる方も多いようです。
そこでこの記事では、造作家具のメリット・デメリットや、オーダーメイドを成功させるための考え方などを詳しく解説します。
コラムのポイント
- 造作家具はサイズや素材などを細かくオーダーでき、住まいや使い方に合わせてつくれるのが魅力です。
- 実物を見て選べない、価格が高くなるなど、造作家具のデメリットや注意点と対策をセットで覚えておきましょう。
- 新築時は間取りに合わせた設計や金利が低い住宅ローンの利用など、造作家具のメリットが大きくなるためおすすめのタイミングです。
Contents
造作家具とは
造作家具とは、使い方に合わせてサイズや素材をオーダーメイドし、住まいに造りつける家具のことです。
一般的なオーダーメイドの家具と造作家具の違いは、天井・壁・床などに固定して一体化させる点です。
市販の家具のように既製品を買って住まいに置くのではなく、建物にサイズをピッタリ合わせて一体化させるのが造作家具の特徴。
新築住宅やリノベーションなど、幅広い住まいづくりで採用されている方法です。
造作家具のメリット
造作家具は、市販されている家具と比較して次のようなメリットがあります。
住まいにサイズを合わせられるためムダがない
造作家具は住まいの間取りに合わせてオーダーメイドするため、すき間ができず空間をムダなく活用できるのが大きなメリットです。
市販の家具を購入する場合、どうしても壁や天井にすき間ができてムダになってしまいます。
造作家具を間取りにピッタリ合わせてつくれば、収納量を確保しつつ圧迫感のない空間に仕上げることもできます。
また、すき間にホコリやゴミが溜まりにくく、清潔な空間をキープしやすいのも造作家具ならではのメリット。
造作ベンチの下を収納にするなど、デッドスペースを活用してムダを無くすこともできます。
使いやすい形にオーダーできる
棚の数や位置など、使い方に合わせて形状をオーダーできるのも造作家具のメリットです。
市販の家具も棚の数や位置をある程度調整できますが、限界があるため使い方にピッタリ合う物が見つからないこともあります。
造作家具は、収納するアイテムや使い方に合わせて形をミリ単位で調整可能なため、ちょうど良い市販品が見つからないときにおすすめです。
素材や仕上げ方法まで選べる
1から設計する造作家具は、棚板の素材や仕上げ方法など細かい部分まで選べるのも魅力的なポイント。
造作家具では天然の無垢材が使われることが多いですが、木の種類や産地まで細かく指定することも可能です。
また、塗装の有無や色合いなども選べるため、同じ形の造作家具でも好みに合わせてカスタマイズできます。
空間全体をトータルコーディネートできる
前述したように細かい部分までカスタマイズ可能な造作家具は、住まい全体でトータルコーディネートできるのもメリットです。
市販の家具でもカラーや素材をそろえることは可能ですが、造作家具ならさらに統一感や高級感がある空間をつくりやすくなります。
造作家具単体の魅力だけでなく、全体を統一することで住まいの魅力を引き出してくれるのです。
地震による転倒リスクがない
造作家具は建物に固定するため、地震の揺れによる転倒リスクがないのも特徴です。
市販の家具は、地震による転倒を防ぐために金具や突っ張り棒などを使って固定する必要があり、手間がかかるだけでなく美観を損ねてしまうことが多いです。
建物と一体化した造作家具は転倒防止の対策が不要で、ムダな物がないスッキリしたデザインに仕上げることができます。
造作家具のデメリットと対策
メリットや魅力がたくさんある造作家具ですが、注意すべきデメリットもあります。
デメリットと、失敗を防ぐためのポイントをセットで覚えておきましょう。
実物を見て選べない
オーダーメイドの造作家具は、市販の家具のようにショールームで実物を見ながら選べないのがデメリットです。
完成するまでサイズ感やカラー、使い勝手を確認できないため、イメージ違いや使いづらいなどの理由で後悔するリスクがあります。
デザインのイメージ違いを防ぐためには、色見本やカットサンプルなどで質感などを確認するのが効果的です。
また、使い勝手についてはプロのアドバイスが重要なため、造作家具づくりの実績が豊富な店舗や会社に相談するのがおすすめです。
造作家具の相談先の選び方は後半で解説しますので、そちらも参考にしてください。
市販家具よりコストが高くなりやすい
工場で大量生産する市販家具と比べると、1つずつ手づくりする造作家具はコストが高くなる傾向があるのもデメリットです。
既製のスーツよりオーダーメイドスーツの方が効果なように、同じ素材やサイズでも造作家具の方が費用は多めにかかります。
ただし、住まいやライフスタイルに合わせた造作家具は長く使えるため、初期費用は多めにかかっても長い目で見れば損にはなりません。
耐久性が高い素材・仕上げを選んだり、収納に可変性を持たせたり、長く使えるような工夫で対策しましょう。
完成まで時間がかかる
店舗で直接購入できる市販家具と違い、打ち合わせや施工など完成まで時間がかかるのも造作家具のデメリットの1つです。
造作家具はサイズや素材、仕上げ方法など決めるべき場所が多く、現場での施工にも時間がかかります。
新築住宅の場合は逆算して仕様を決めれば引き渡しまでに完成させられますが、リフォームやリノベーションの場合は対策が必要です。
どれくらいの期間がかかるのか事前に把握し、いつまでに何を決めるべきか、どこまで片づけをする必要があるのかなど確認しましょう。
移動や買い替えができない
造作家具は建物に造りつけるため、市販家具のように移動・買い替えができない点にも注意が必要です。
市販の家具は、家族構成やライフスタイル、好みのデザインの変化に合わせて買い替えできますが、造作家具の場合は工事が必要になります。
造作家具を検討する際は、ライフスタイルの変化なども見据えて長く使える設計や、時間が経っても古く見えないようなデザインを採用して対策しましょう。
新築時は造作家具づくりのチャンス
造作家具は既存住宅のリフォームやリノベーションでも採用されることがありますが、新築時はメリットが大きくなるため積極的に検討するのがおすすめです。
新築時に間取りと造作家具をトータルで設計すれば、より使いやすく統一感があり魅力的な空間をつくることができます。
また、造作家具を建築費用の一部として計上すれば、金利が低い住宅ローンに組み込めるのも大きなメリットです。
ただし、前述したように造作家具にはメリット・デメリット両面があるため、設計や施工の相談先が重要になります。
造作家具づくりの相談先はいくつかあるため、選び方とあわせて次の章でチェックしましょう。
造作家具の相談先と選び方
新築住宅に造作家具をつくる場合、相談先は次のパターンに分かれます。
- 家具専門店や家具職人
- 新築を建てる工務店やハウスメーカー
- 建築家や設計事務所
家具の販売や製作を行う専門店や家具職人は、造作家具の施工にも対応してくれるケースが多いです。
ただし、新築住宅の場合は建物と造作家具の施工が別の会社になるため、引き渡し後でないと製作できない可能性が高いです。
工務店やハウスメーカーは、建物と造作家具のプランニングから施工までセットで頼めるのがメリットですが、提案力やクオリティは会社によって異なります。
デザイン性や使い勝手にこだわるなら、インテリアコーディネートや家具の設計に力を入れている建築家や設計事務所に相談するのもおすすめです。
プランの自由度が高い設計事務所は、オリジナリティや耐久性など重視するポイントに合わせて造作家具を提案してくれる可能性が高いです。
どの会社でも、なるべく造作家具の実績が豊富で提案力が高い相談先を選ぶのが成功のポイントです。
まとめ
オーダーメイドの造作家具はデザイン性やクオリティにこだわることができ、使い勝手や耐震性などのメリットもあります。
ただし、移動や買い替えはできないため、ライフスタイルや住まい全体のコンセプトに合わせて慎重に検討する必要があります。
造作家具づくりの実績が豊富なプロに相談して、理想のプランを提案してもらいましょう。
私たちcaseIT(ケースイット)は、新築注文住宅から造作家具の設計施工までトータルサポート可能な設計事務所です。
これまで造作家具を含めた住まいづくりを多数サポートしてきた実績をもとに、お客様のご要望やイメージを伺い理想のプランをご提案いたします。
ぜひお気軽にご相談ください。