設計事務所で注文住宅を建てるメリット・デメリット|ハウスメーカーや工務店との違いも解説
2025/5/15
注文住宅を建てるとき、まずハウスメーカーや工務店を探すケースが多いですが、オリジナリティのある住まいづくりができる設計事務所も気になりますよね。
しかし、設計事務所に相談してみたいものの、ハウスメーカーや工務店との家づくりの進め方の違い、費用の差などが分かりにくく感じる方も多いようです。
そこでこの記事では、一般的なハウスメーカー・工務店と設計事務所の違い、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。
コラムのポイント
- フルオーダーで好みやライフスタイルに合わせた理想の注文住宅をつくれるのが設計事務所の強みとメリットです。
- 設計力や提案力が高い設計事務所なら、狭小地や変形地など、特殊な条件の土地にも対応できることが多いです。
- 費用や工期など設計事務所のデメリットを把握し、対策もセットで覚えておきましょう。
Contents
設計事務所とハウスメーカー・工務店の違い
設計事務所とは、建築物の計画立案や設計、施工監理などを請け負う事務所や企業のことです。
一般的な設計事務所では注文住宅の設計を請け負い、住宅プランが完成した後で施工会社を探すことが多いです。
一方、ハウスメーカーや工務店は設計から施工まで一貫して自社で担当し、1つの窓口で注文住宅を建てることができます。
ただし、自社に設計士が居ないハウスメーカーや工務店の場合、設計は設計会社に外注して施工のみ担当するケースも。
また、設計事務所の中にも、設計から建物の施工までトータルでサポートできる「設計施工会社」も存在します。
設計 | 施工 | |
パターン①
設計士が居るハウスメーカー・工務店 |
自社 | 自社 |
パターン②
設計は外注するハウスメーカー・工務店 |
外注 | 自社 |
パターン③
設計のみ請け負う設計会社 |
自社 | 外注 |
パターン④
設計施工を請け負う設計会社 |
自社 | 自社 |
大きく分けると、上記のように4パターンが考えられます。
パターン①のハウスメーカー・工務店と、パターン④の設計会社は、1つの窓口で設計から施工まで担当できる点が同じですね。
パターン②とパターン③は、窓口がどちらになるかの違いで、設計と施工は別会社になります。
このように、ハウスメーカー・工務店・設計事務所の営業方針は会社によって異なるため、一概に違いを比較することはできません。
注文住宅について相談する会社を選ぶ際は、上記のどのパターンに当てはまるのか考えてみるのがおすすめです。
設計事務所で注文住宅を建てるメリット
設計事務所で注文住宅を建てる場合、ハウスメーカーや工務店と比較して次のようにさまざまなメリットがあります。
フルオーダーで理想のマイホームをつくりやすい
設計事務所の注文住宅は寸法や材質など細かい部分までこだわれるフルオーダーで、理想のマイホームをつくりやすいのが大きなメリットです。
ハウスメーカーや工務店の注文住宅も間取りやデザインを選ぶことはできますが、建材や設備のメーカー、寸法がある程度決められているのが一般的です。
例えば、大手のハウスメーカーは建材や設備を一括仕入れでコストダウンするため、基本的には取り扱いのないメーカーは選べません。
また、自由設計のハウスメーカーや工務店であっても、規格化されているため間取りや設備のサイズの調整には限界があります。
設計事務所の場合は、お施主様のご要望に合わせて自由に理想の注文住宅プランをつくることができます。
例えば、要望にマッチする既製品が見つからない場合は、造作建具やキッチン・お風呂などの設備までオーダーメイドすることが可能です。
寸法も1mm単位で調整できるため、デザイン性や意匠性などにとことんこだわり、理想の注文住宅を建てることができます。
特殊な土地や条件に対応しやすい
前述したように設計事務所の注文住宅は自由度が高いため、狭小地や変形地など特殊な土地や条件に対応しやすいのもメリットの1つです。
例えば、ベースプランが決まっているハウスメーカーの場合、特殊な形状の土地では建てられないケースもあります。
また、防火地域など法規制が厳しい土地の場合、要望通りの間取りやデザインを実現できない可能性も考えられます。
プランの自由度や提案力が高い設計事務所なら、難易度が高い土地や条件にも対応しやすく、暮らしやすい注文住宅を建てることが可能です。
土地選びの選択肢が広がるため、住みたい街を選びやすくなり、予算に合わせて注文住宅の費用総額も調整できます。
施工監理でミスや手抜きを防ぎやすい
設計会社に施工監理まで依頼する場合、複数の視点で建築現場をチェックして施工ミスや手抜きなどを防ぎやすいのもメリットです。
ハウスメーカーや工務店も現場監督による監理はありますが、同じ社内の人間なため漏れやミスが発生することもあります。
一方、設計会社と施工会社が別になる場合、2つの視点で「図面通りに工事が進んでいるか」チェックできるため、ミスや手抜きが発生するリスクを抑えられます。
設計事務所で注文住宅を建てるデメリットと対策
ハウスメーカーや工務店と比較して、設計事務所での注文住宅づくりには次のようなデメリットもあります。
どのようなデメリットがあるのか知り、対策も把握しておくことで、後悔を防いで理想の注文住宅を建てやすくなります。
施工会社を探す手間がかかる
前述したように一般的な設計事務所は設計のみを担当するため、実際に工事をする施工会社を探す手間がかかります。
ハウスメーカーや工務店の場合は、注文住宅のプランが確定した時点で建築請負契約を結び、そのまま工事に進む流れが一般的です。
設計事務所の場合は、建築プランが確定したら施工会社を探して見積もりを作成するため、手間や時間がかかるのがデメリットです。
ただし、設計事務所の中には設計から施工までトータルサポートできる「設計施工会社」もあり、一般的なハウスメーカーや工務店と同じ流れで注文住宅を建てることができます。
設計事務所のメリットを活かしつつスムーズに注文住宅を建てるなら、設計施工に対応できる会社を探してみましょう。
設計料や建築費用が高くなる傾向がある
設計と施工が別会社になる場合、設計料や建築費用が高額になる傾向があるのもデメリットの1つです。
一般的な設計事務所は設計料や監理料で売り上げを立てているため、ハウスメーカーや工務店より費用が高くなる傾向があります。
また、前述したようにプランの自由度が高い反面、オーダーメイドの特注品などを使うと建築費用は高くなり予算オーバーするリスクがあります。
設計事務所以外の住まいづくりにも共通することですが、予算内で理想の注文住宅を建てるには最初に予算を伝えるのが効果的な対策です。
コストコントロールを得意とする設計事務所なら、予算の範囲内でなるべく多くの要望を叶えられるようにプランを調整することができます。
お金の話は後回しにせず、頭金や住宅ローンなどの資金計画をなるべく早い段階で立てて、予算を明確にしてから設計事務所に相談するのがおすすめです。
工期が長め
規格化された注文住宅を建てるハウスメーカーや工務店と比較すると、設計事務所は完成までの工期が長めにかかる傾向があります。
また、前述したように設計プランが確定してから施工会社を探す場合、見積もりや契約に時間がかかり工期が伸びることも。
なるべく工期を短縮して注文住宅を建てるなら、前述した設計施工をトータルサポートできる設計事務所に相談するのが効果的な対策です。
また、いつまでに引っ越しをしたいのかゴールを明確にして、逆算してスケジュールを立てることも大切です。
いつまでに何をやるべきか明確にすることで、注文住宅全体をスムーズに進めることができ、工期の短縮にもつながります。
モデルハウスを見学できない
設計事務所は1棟ごとにオーダーメイドの注文住宅を建てるため、モデルハウスを構えていないことが多いのもデメリットの1つです。
工務店やハウスメーカーはモデルハウスを見学して雰囲気をつかみ、イメージに合う会社を選びやすいです。
一方、モデルハウスのない設計事務所は、どんな注文住宅を建てられるのか実物でイメージできません。
対策としては、施工実例をチェックして、理想のイメージに合う物件がある設計事務所を選ぶのが効果的です。
まとめ
注文住宅づくりではハウスメーカーや工務店に相談する方が多いですが、デザインや暮らしやすさにこだわり、世界に1つだけの住まいを建てるなら設計事務所に相談するのもおすすめです。
設計から施工までトータルサポートできる設計事務所なら、一般的なハウスメーカーや工務店と同じ工程・手間で注文住宅を建てることができます。
例えば私たちcaseIT(ケースイット)は、設計事務所としてお客様のご要望に合わせた住宅プランを提案し、施工までトータルサポートできる設計施工会社です。
土地選びや資金計画などのアドバイスもできますので、住まいづくりのことなら何でもお気軽にご相談ください。